泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部

酒見賢一
歴史小説 2007年 文藝春秋 ★★★☆


あの絶賛『泣き虫弱虫諸葛孔明』の続編ということで、喜び勇んで手に取ったのだけど、あらら、1年も前に出ていたのね。不覚だった。

実は前編の内容など忘れてしまったが、いきなりこの第弐部から始めても、面白く(おかしく)読めること請け合い。『三国志』を知らない人でも、いちおう大丈夫。
ことさらに笑いを取ろうとしているのか、ちょっと引いてしまいそうな描写もときとしてある(気になるほどではない)。

展開ののろさは相変わらず。前回やっと三顧の礼にこぎつけ、この巻でも孔明はろくに、いや、全く活躍する機会を与えられず、機械を作ったりそのへんを燃やしたりしてうだうだ。
ラストで初陣(?)長坂坡(趙雲が阿斗を抱いて戦場を駆け巡るエピソード)に来て終わり。赤壁はまだ遠い。

『三國志』や『三国志演義』に加えて、裏三国志まで引き合いに出しながら、ネチネチと突っ込みを入れていれば、時間がかかるのもやむをえないとも見える。
ひょっとしてこれをライフワークにするつもりなのか。それは・・・わりと恥ずかしくなーい?
それに『泣き虫弱虫』というタイトルを悔やんでるのかな(縛られた印象)。

『三国志』はすでにストーリーが決まっている。こねくり回すだけなら誰が手がけても大差ないと思われるが、この本の売りはキャラクターにある。
デフォルメがはなはだしく、区別をつけやすいのである。ふにゃふにゃの均ちゃんやら、工口本狂いの簡雍やら、殺人マシーン張飛やら、誰も彼も個性が際立っている(無理やり際立たせている)。
そんな中で、孔明はやや霞がかかっているというか、いまいちはっきりしない。奥さんの黄氏はなかなかチャーミング。
2008年03月29日 17:29 by 蕪  ※(0)  虎(0)  歴史・時代小説
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※コメントが表示されるまでに日数がかかります。

この記事へのトラックバック


本の迷惑 トップページ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。